アン ドゥー トロワ
by dppg
●月●日 5年五組に赴任初日からベタベタと馴れ馴れしいのが汐鷺海の第一印象だったが、グループで連れ立って自宅まで尾行されたりと迷惑行為も目立ち扱いに困っていた所、あるきっかけで家庭状況の難しさを聞くに及び学校行事やら友人関係の悩みやら好みの男子についてまでこちらとしては心底どうでもいい相談も受けざるを得ない雰囲気に持ち込まれてしまってうんざりな訳だがそこはギブ&テイク、教材室に人っ気がないのを発見してからはそこが悩み多き生徒専用の特設指導室と化し、年頃特有の退屈な話しにあくびをこらえてケアしていくという指導スタイルがいつの間にか定着した。不思議というか、汐鷺のガードの低さには少々面食らったがこれも我が身にまとったカリスマがなせる技であると同時に、ギブと言ってもただつまらない話を文句も言わず聞くだけでは駄目で、こちらの身辺事情を事細かに探りにかかってくるのが、まあ…やや不気味ではある…
実のところいつも妄想に使ってるのはあのグループの中でも大人びた星野の方なんだがそれは言うまい。
●月●日 汐鷺は性交渉をスポーツのように捉えている節があり、調子にのるとアウトサイドから中央に寄せるとか左中間を射抜くなどウケ狙いの例えが止まず耳障りなのでその都度強く言ってやるのだが、そんな余裕を見せる場慣れ感が荒れた家庭環境に起因するのなら…痛ましいかぎりだ。だからと言って容赦しないが。
●月●日 担当科目中ふと階下に汐鷺がグラウンドの向こうに駆けていくのが見えて昨日使った性具のことを思い浮かべながら授業を続け、調子は上向きで気流が生まれるかのようにチョークが走った。
●月●日 個別指導がよほど身になるのか部活や放課の予定を繰り下げてでも汐鷺は教材室に現れた。最初はごく慎重に日取りを選んでいたのだが次の週、また次の週、夏休みが明けてからは週に数度も珍しくないほど頻繁に会うようになり、肉欲飢餓に陥ったのではと案じてみても当の本人はこちらの情報だけちゃっかり聞き出し満足そうに笑うばかりで、聞くことといえばどんなTVを見てどの芸能人が好みか、誰と何を食べ休みの日はどこに行くのかなどなど他愛もないことが大半であり、考えつくままに答え、そんな無意味に思えるようなやりとりは行為の最中のちょっとした気まずさを埋めるいい潤滑剤になった。
質問に答え、汐鷺の体温に触れる。
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