日本鬼子(ヒノモト オニコ)考
by 九州外伝
かつて、日本には「大神(おおかみ)」と呼ばれる獣がいた。
人間のテリトリーの「外側」に実在したその獣は、人が自らの集落から離れ、「踏み越えてはならない一歩」を踏み越えてしまった時に、あたかも「警告」のごとく姿を現し、時としてその牙で人の命を屠った。
彼らは、人知を超えた災厄や自然現象よりも、より身近で実体的な存在であった事だろう。しかし、日本人は彼らに対して、人の力の及ばぬ「神」や「鬼」の断片を見出して恐れたのである。
ネットの中で生み出された「日本鬼子(ヒノモト オニコ)」は、当然ながら「人間のテリトリー」の中の存在であった。
彼らは自らの「智」と「認識」の範囲で、彼女を生成した。
おそらく彼らにとっては、「鬼」も「神」も、「自らの智や技の及ばぬ強大な闇」などではなかったのではないだろうか?彼らにとって「鬼」や「神」は、文字列に落とし込まれた「情報」であり、擬人化された「キャラクター」でしかなかったであろう。
…故に、彼らは「日本鬼子」を、自らが制御できるものとして、決して自分達に牙を剥かないものとして、自らのテリトリーの中で自分達に従う「道具」として、彼女を「完成」させてしまった。私はそう考える。
仮にそうだとすれば、「日本鬼子」は彼らの「智」や「技」を超える存在には成り得ない。彼らは誰も、自らの脅威と成り得る「大神」を求めていないのだ。
彼らが手に入れたのは「日本鬼子」という名前の「人形」でしかない。
「日本鬼子ぷろじぇくと」の「日本鬼子」への「反論」として存在する「日本Ω鬼子」を、私がしばし獣性を持って描いてしまうのは、もしかしたら当然の帰結かも知れない。
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