妹の贈り物
by ゆあ
今日は俺の誕生日だ。
といっても、誰かに祝ってもらう事も無い。社会人となった今、友人たちも自分たちの事で精一杯だ。
俺にとっては一応特別な日であっても、、周りは何ら変わりない。
連日の猛暑の中、自室で涼みながら退屈な一日を過ごす事が俺にとっては最高の贅沢だ。
昼下がり、ただ惰性でスマホをいじっていたら、誰かが部屋をノックする。扉を控えめに叩いたのは妹だった。
申し訳なさそうに入室してくる。暇だから別に気遣う必要も無いのだが。
聞けば、俺に誕生日のプレゼントを贈りたいとの事だ。
週末は例外なく、友人たちと外出している妹が今日に限って在宅とは…俺の誕生日が影響しているのだろうか。
いずれにしても、律儀に贈り物を見繕う精神は立派だと思う。できた妹だな。
どっちがいい?と妹はタブレットを俺に差し出す。
タブレットの画面に視線を落とすと
・パンチラ
・
黒い背景に選択肢が表示されている。
下は文字が伏せられており、正体は分からない。ぺルポイの町の道具屋か?
それにしても、パンチラとは……何故そんな破廉恥なものがプレゼントの候補なのか……
すると妹は俺の疑問を読み取ったようで、どうやら妹はバイトから支給される給料前で金欠らしい。
そんな状態でも贈り物を準備するとしたら何がいいか?友達に尋ねた結果が、このタブレットの画面という事だが……
□「パンチラ」を選ぶ
そういえば、俺の周りには妹に想いを寄せる奴が何人かいる。
俺を通して連絡先を聞き出そうとしたり、食事に誘う機を伺ったり、と狼だらけだ。
そんな猛獣どもから俺は妹を守らねばならない。
そのために、下着をチェックするのも兄である俺の務めだろう。
派手な下着を穿いていないか、穿いていたら注意するのも俺の義務だ。
という訳で、俺は誕生日の贈り物として「パンチラ」を選択した。
□「」を選ぶ
下が伏字である以上、それを確かめる術はない。
ならば、破廉恥な行為が確定している上は選択肢として除外される。
もしかしたら、下も慎みの無い事かもしれんが、相手が妹である以上、上は忌避すべき事に違いない。
だから、内容がどうであれ、下を選択する事とした。
□拒否する
金欠を踏まえたうえでの妥協案がタブレットに表示されている二択だ。
とすると、妹の本位でなく無理している可能性が高い。
無理を強いるのは兄として褒められない事だ。
だから、俺は妹の提案を拒否した。無理はするな、と。
すると妹は「無理じゃないから、どちらかは選んでほしい」と懇願する。
相手に喜んでもらうべく贈り物を見繕ったものの、相手から拒否されたら、それは寂しく残念な気持ちになる。
確かに、兄として妹の厚意を反故にするのは野暮なものかもしれない。
なら、ここは甘えさせてもらおう。
とはいえ、差し出された二つのものから選択しなければならない。
まぁ、パンチラは倫理上忌避すべきところだ。
と、すると下か?下の中身は分からないが、上以上に不適切な贈り物は無いだろう、と思う。
という訳で下を選択した。
伏字で正体は分からないが、「」を選択した。
すると妹は何とも気まずい様子で「準備をするから」を部屋をあとにした。
どこか様子がおかしく、「覗かないでね」と釘も刺された。
一体なんだ?俺か妹にとって都合の悪いものなのだろうか。
贈り物の正体に皆目見当がつかぬまま、10分ほどの時が過ぎた。
すると、妹が戻ってきた。
時間を要したと思っているようで、申し訳なさそうに俺に謝罪する。
別に10分程度何ら問題の無い事だ。先述したが、俺は惰性でスマホをいじっていただけなのだ。
そう妹に伝えると、安堵した様子を見せる。
だが、何だか妹の様子が変だ。
直立のまま姿勢を正したかと思えば直ぐに肩の力を抜き、視線は俺と部屋の入り口を往来させている。
何かを思い出したようにスカートの裾へ手を添える。その指先は握ったり離したりを繰り返し、落ち着きが無い。
それに、プレゼントを準備すると言い、戻ってきたものの妹は手ぶらだ。
状況が全く読めないが、急かす事はしない。妹に不都合があるならば、それを強要するのは無粋だ。
そのまま幾何の時間が経過した時、妹は意を決したかのように俺の目の前に直立する。
左手と右手、それぞれの手でスカートの裾を掴み、深呼吸をするや否や、妹はスカートを勢いよく捲り上げた。
眼の前に拡がる、その光景は想像もしなかったもの。
普段は下着に覆い隠されているであろう秘部が、俺の前で露になる。
外的な要因によって作り出された熱いものが俺の身体中を駆け抜ける。
その衝撃によって、俺の鼻穴から血液が溢れ出す。
つい最近までランドセルを背負っていた子供が、いつの間にか"立派"に育っていた。
女の子、っていうのはこんなに発育が優れたものなのだろうか。
そう自問しながら、俺は意識を失った。
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