動物としての本能に従い
by くろろーむん
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俺たちは動物の気持ちを知るため、
様々なことを一緒にやって来た。
動物園でアルバイトをしたり、アニマルウォッチングに参加したり。
それを一段階進めるため。
動物広場と言われる場所で着ぐるみを着て、
彼らと一体となることを計画した。
そこの代表者‥‥と言える人にも話をして、
「イイワヨ?」
と許可を貰い。
さあ、より動物たちの気持ちを‥‥
‥‥‥‥
細部の作りが甘かったのか。
彼女の着ぐるみが早速壊れてしまった。
残念ながら、この計画は中止することに。
‥‥‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥
‥‥そのしばらくあとの話。
俺たちは物陰で、こそこそと活動していた。
今の俺は人ではない。‥‥着ぐるみを着ているから。
彼女も人ではない。‥‥産まれたままの姿で、四つん這いだから。
‥‥あの着ぐるみがビリビリに破けた日。
その時の半裸になった気持ちが、彼女は忘れられないらしい。
それが巡り巡って‥‥時々彼女の「散歩」に付き合っている。
動物の気持ちを知るという趣旨からはずれているが‥‥
‥‥まあ、ペットと飼い主、
それぞれの気持ちを知れるということにしよう。
いつものように、ぺたぺたと物陰を歩いてしばらく。
彼女はふと物陰の外を見て、震えた指を光さす外へ向けた。
指の先には、日を浴びる大きな木。
そこまでの距離は、おおよそ10メートル。
さすがに‥‥という顔を俺がすると。
恐怖と期待と覚悟がないまぜになったような。
今まで見たことの無い表情を、彼女は浮かべた。
尊厳をかなぐり捨て、本能に従う。
ある意味で最も動物的と言えるだろうか。
彼女を肯定するように、俺もその木を指さした。
彼女はぶるっと震えたあと。
全身を日に晒しながら、10メートルを歩き始めた。
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