ウチの娘セピア・サルティリ(現代編その2)
by Alchimie
ウチの娘のセピア・サルティリです。つい最近頭の中で爆誕してからずっと頭の中で描いて表に出せと暴れたり踊ってます。
セピアは生まれつき全盲ですが、生まれつき特殊な魔法である光属性魔法【真実の光(命あるモノはいずれも必ず持ち合わせる『心』の色や揺らめきを見る事が出来る魔法)】が扱える為に全て"視"えているので、目が見えない不便はほぼ感じること無く生きています(文字の読み書きだけは少し大変で、書くのは出来るようになりましたが、読むのは書いてる所(筆跡)を直接見ていないと読めません。ただし代読等を依頼してその辺はカバーしてます)。
そんな訳でセピアはこの世界の裁判所で、いわゆる『嘘発見器』の仕事をする聖職者をしています。
さて、そんな『他人の心の光』が"視"えてしまい、時にはその『光』の変わり方や揺らぎの反応を"視"て楽しんでる訳ですが、ヒトと言うのは常に楽しいことばかりな生物では無く。時には破滅的なまでの、それこそ自らの存在を否定し死へと向かいそうな色をしてる者も居るわけで。普通のヒトならば「なんかアイツ落ち込んでるな」ぐらいにしか見えず何なら目を瞑れば完全に見えないモノとして扱えますが、彼女は否応なしにその心の『光』が"視"えてしまうのです。そしてそれは赤の他人であるセピアでさえ心を潰されるような苦しみを感じるのです。
雨の降るある日、セピアは仕事帰りに広場の椅子に項垂れて座っている同じぐらいの歳の青年を"視"ました。何があったのか、激しく絶望している『光』を強く発していたのです。
間違いなくあのヒトは放って置いたら悲しみを抱いたまま病んで死んでしまう、と直感したセピアは青年に声を掛けました。
「こんばんは。私は上級裁判所で尋問官をしている聖職者セピアと申します。すいません急に。貴方から強い『光』が"視"えてしまいまして・・・。このままでは風邪もひいてしまいますし、どうか私の家でお話しをしませんか?」
同情的な声音では一切無く、ただただ優しく声で、手を差し出しました。
セピアの住んでる一軒家に青年を案内すると、まず先に流し場で身体を拭くようにタオルを渡し、拭き終わって出て来た所に飲み物を出して「私が拭き終わるまでこれでも飲んで一息着いてください」と言って流し場に行きました。
時間にして10分経たないぐらいでしょうか。流し場の扉が開きました。
「すいません、お待たせしました~」
俯いて座っていた青年が顔を上げました。そこに居たのは、
「いや~すいません。今、衣装が全て乾燥中でしてこんな姿でっ」
タオル一枚を身体に巻いただけのセピアが出てきました。
「・・・~~~~ッ!?」
一瞬間を置いて、目の前に居る存在の姿を認識した青年が驚いて立ち上がりました。そしてその反応を見たセピアは微かに口元に笑みを浮かべました。
(良かった、少しだけ硬く沈んだ色に光が射した)
青年の『光』が僅かながらも息を吹き返せばと思い、そしてそれが上手く行ったと確信したセピアは更に畳み掛けるべく、青年の向かいの席に座ろうとし―――、
「あっ、ととぉっ、?!」
タオルがほどけ、それを踏んですっ転ぶ『フリ』をして青年に覆い被さりました。
数秒して、衝撃が引いた青年が見た光景は凄まじい物でした。淡いブロンドヘアカラーの美女が。全裸で自身に覆い被さり。その二つの巨峰は自身の身体に着地しており。更にその下に目線を向ければ綺麗な一筋の丘があり。更に数秒して青年は自身の下半身の一転に熱が入るのを自覚しまさた。
「ああ、っと、ごめんなさい。お怪我は―――・・・」
セピアに声を掛けられ、我に返った青年ではありましたが。それ以上どうしようもありませんでした。体勢的に全ての主導権はセピアにあり、下手に動けば『聖職者に暴力を働いた重罪者』として裁かれてしまいます。一瞬でその考えが頭を過り、しかし下半身の熱が痛みを覚えるまでに猛って来ているのを自覚した青年は唾を飲んで口を閉ざすしかありませんでした。そうしているとセピアがイタズラっぽく小さく笑いました。
「ゴメンなさいっ イタズラが過ぎましたね♪」
「・・・・・・・・・・ぇ?」
青年はただただ困惑し、一言発するのがやっとでした。
「いやですね、私、生まれつき目が見えない代わりにずっと心の『光』が見えてしまうんですよ。そして今日の帰り道、とても深い悲しみの『光』を発している貴方を"視"つけてしまったのです」
その体勢のまま、セピアは柔らかい言葉で青年に事情を話し始めます。
「"視"てるだけの私でもとても辛い思いになるのに、貴方の感じる痛みや辛さは如何程になるのかと思うとどうしても放っておけなくなりまして。それで貴方の『光』を少しでも和らげる事が出来ればなと思いまして、それで今に至ります」
そう。全ては計算ずくだったと告白されたのです。この状況を。全裸で覆い被さり。その裸体を晒け出して見られるこの状況を。
数刻前まで、自身のこの先の事で悩み、絶望し、自棄になっていた青年の心の『光』が、凝り固まった油が熱せられて溶けるかの如く澄んで行き、そして―――。
「どうされます?」
トドメであった。
青年の『光』が吹き返し情熱を取り戻すまであと一歩だと確信したセピアは、青年の上から退くとベッドの上へと寝転びました。
何も言わず。ただ一度頷きました。
翌朝。セピアが青年を送り出すべく玄関に立ち、
「ああー、今回の事は他言不要でお願いしますね。下手したら私、聖職者の立場を失っちゃうかもしれませんし」
右手の人差し指で青年の口を塞ぐ仕草をしました。目にも光を取り戻した青年は静かに頷きました。
「フフッ、お元気になったようで良かったです」
心の底から安堵の言葉を贈るセピア。そして青年の耳元に顔を寄せて、
「そうそう。昨晩は良かったですよ。私も、とてもねっ」
そう囁き、青年の耳元から口を離し、最後に青年の口に自身の口を重ねて熱い重ね合いをし。
「それでは。貴方のこの先に光があらんことをっ」
青年をとびきりの笑顔で送り出しましたとさ。
前回のセピア→ https://sp.nijie.info/view.php?id=749046
初回のセピア→https://sp.nijie.info/view.php?id=748232
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