お気に入りワンピース…
by どくどくにんじん
天気のいい午後、小高い丘の上の草原にシートを広げていた。風が優しく吹き抜ける中、彼女は嬉しそうに立ち上がってくるりと回った。
「ねえ、どう? このワンピース! お気に入りなんだよね〜」
薄いグリーンの生地が光を浴びてふわりと広がる。
彼女は手を広げてくるりとその場でターンしてみせ、胸を少し張るようにポーズを取った。
笑顔が本当に可愛い。俺は思わず見とれてしまった。
けど、次の瞬間、気づいてしまった。
薄すぎる。
陽の光が透かして、彼女の淡いピンクのパンツのがくっきりと浮かび上がっている。
形まで、はっきり。
風が吹くたびに生地が体に張りつき、余計に強調されてしまう。
「どうしたの? 変?」彼女が首を傾げて俺の顔を覗き込んでくる。
無邪気なその表情に、俺は喉が詰まった。
言うべきか……。言えば、間違いなく彼女は大慌てで座り込んでしまうだろう。
せっかくのピクニックの雰囲気が一瞬で壊れる。しかも恥ずかしさのあまり、今日一日引きずってしまうかもしれない。
でも、黙っていたら……。
他の人がこの丘に来たときに、あの姿を晒してしまう。彼女が気づかずに楽しそうに歩き回る姿を想像したら、なんだか胸が苦しくなった。
俺は視線を少し逸らしながら、缶ジュースを握りしめたまま、言葉を探した。
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