下水道の女王
by ジュラルミン
Z市X区で発生した侵略的寄生生物のアウトブレイク。
政府による徹底的な封鎖作戦により被害の拡大は防がれたが、X区住民の救出は絶望的であった。
絶え間なく悲鳴が響いていたバリケードの向こう側からは、今では時折嬌声が聞こえる程度である。
あれから1年が絶とうという頃。
X区跡地の周辺で寄生生物の目撃情報があり、付近で行方不明者が増えているという情報をキャッチした政府は現地に調査員を派遣。
行方不明者の一人が郊外の下水道に入っていく姿を目撃されていると知った調査員は、さらなる調査の結果、その下水道がX区跡地の下水道と接続されている事を突き止め、さらに1年前に施された封鎖が急速な腐食により貫通し、人が通れるほどの穴が開いているのを発見した。
さらなる捜索のため意を決して奥へ進む調査員。
異臭を放つ薄黄色い粘液をかき分け進むと、その奥に、それらがいた。
粘液に浸かって恍惚とする者、異形の肉棒から垂れる粘液を体に纏わせる者、巨大な乳房に腰を打ち付ける者、いずれも行方不明者である。
その中心にいるのはかつてのX区住人の成れの果てであろう。
異形と化したそれの目が調査員を捉え怪しく光る。目を逸らせない。
腰まで浸かったこの粘液の正体をよく考えるべきだった。素肌を粘液に晒し、臭気を吸い続けた自分は、既にこの女王の支配下にある。
調査員からの連絡は途絶えた。
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