クレヨン王室博物館長

by もっさうめし

※次：https://nijie.info/view.php?id=640155

～～～～～～～～～～～～～

今回、王宮にきたのは預言を受けるためだった。
『いにしえの間にて運命が動き出す。』
何の運命が動き出すというのか。
一回りほど年の違う王と私はよく似ている。
あまりににも似ているので、最近ひげを蓄えることにした。
おかげで山賊のような見た目になってしまった。

いまだ妻を持たない私を心配していろいろ便宜を図ってくれる。
ありがたいことだ。

王に博物館の閲覧許可をもらう。
私は考古学が趣味だ。
悠久の歴史を紡いできた王族として興味をそそられる。
誰にも会わず閲覧できる深夜。
いろいろなことに思いを巡らせながら見ていく。

妻帯しないのには理由がある。
若い頃の熱病で子種がないようなのだ。
以前は。夫に先立たれ乳飲み子を抱えて困っている母親に援助を申し出て抱いてみたこともある。
だが、誰一人懐妊するものはなかった…。

自分の血を残せぬ王族に未来はない。
我が称号はその意味でおあつらえ向きであると言えた。
サンセット卿。
黄昏が私の名だ。

～～～～～～～～～～～～～

眠れない夜。
わたしは一人自分を慰める。
達してしまえば眠れる。
そんな日々をいくつ繰り返してきただろう。
神童、才女ともてはやされたけれども、器量には恵まれなかった。
気付けば行き遅れ。
修道女でもないのに、愛されることもなく日々を過ごしてきてしまった。
国立図書館長、王室博物館長、そんな肩書はどうでもよかった。
愛する人を得て、おかあさんと呼ばれる人になりたかった。
そんなことを考えてしまい、今日はどうしても達することができない。
こんな日は、素肌の上に職服を着て博物館の見回りをする。
：
宝物殿の近くで人の気配を感じた。
怪しい人影。賊だ！
しかし、わたしは何も持っていない。
それでも王室博物館長の責務を果たさなければならない。

～～～～～～～～～～～～～

「止まるザマス、侵入者。」
ちいさな影が立ちふさがった。
「恐れ多くも王立博物館に忍び込むとは！今引き返すなら、不問に処すザマス。」
どうやら、盗人と間違われたらしい。
キュレーターだろうか。声や口調からそこそこの年齢と思える。
賊に間違えられているという状況にいたずら心が芽生えた。
「おお、勇ましい守護者殿。わたくしその勇気に感服いたしました。」
一歩足を近づける。
「それ以上、近づいてはいけないザマス。」
やはり武器はないようだ。
「その勇気こそ、百万の宝物にも優ります。わたくしは守護者殿を頂戴したくなりました。」
我ながら破廉恥なことを言っているものだ。
「我が責めに耐えられましたら、それ以外には手をつけません。この勝負お受けくださるか？」
「…それでだけで、よいザマスか？」

～～～～～～～～～～～～～

とても、力ではかないそうもな相手であることは一目でわかった。
相手からの申し出に乗れば、わたしのみの被害で食い止められるのだ。
「このガラスに手をつけて。わたくしの責めがおわるまでに両方の手が離れなければ守護者殿の勝ちです。」
「わかったザマス。」
手をガラスに付ける。
賊は服をやすやすと引き裂く。
胸に、そして股間に賊の手が入り込む。
なんという恥辱。しかし、なんと甘美な感覚。
声が出そうになるのを耐えらそうにない。
おかあさまの声が聞こえた。
「辱められるくらいなら、死をえらびなさい。」
反射的に舌を噛もうとした。しかしその動きは、賊には気付かれてしまった。
賊の舌にからめとらる舌。
「守護者殿、あなたが死んでも負けですよ。わたくしは守護者殿をいただけなければ宝物をいただいて帰ります。」

～～～～～～～～～～～～～

まさか死のうとするとは。
ほんの戯れで死なれては困る。
袖を割いて服を剥がす。
愛液は滴り、準備はできているようだ。
小柄だが熟れ切った体。思った以上に幼い面立ち。涙に潤む大きな瞳。
なぜが引き付けられてしまう。
何かつぶやいている。
「…おかあさま、ごめんなさい。おかあさま、ごめんなさい…。」
小鹿のように震える体を抱かえ込み、貫いた。
「ブチッ！」
感じた違和感。まさか…。

～～～～～～～～～～～～～

「…おかあさま、ごめんなさい。おかあさま、ごめんなさ、いっ！」
貫かれる痛み。でもそれよりも待ち望んでいた快感。
子宮が下がる。痛いのに…。初めてなのに…。気が付けば腰を振っていた。
おかあさま、ごめんなさい。わたしは犯されて喜ぶ淫らな娘でした。

～～～～～～～～～～～～～

求められている。
搾り取られる感覚。
静寂の中響く喜びの吐息。
私は彼女の中に精を吐き出した。

～～～～～～～～～～～～～

「まさかと思ったが、純潔を奪ってしまうとは…、戯れで始めたことだが…すまない。」
賊が謝る？なぜ？
「実は私は賊ではない。王より許可をもらって閲覧していたのだ。謝って済むことではないが。」

そして、短剣を差し出した。この紋章は王族？

「３日後、そなたを迎えに行く。不満なら、そのときにその剣を使って切りつけてもよい。」
そして、去っていった。

…たった３日なのになんて待ち遠しいのだろう。