【第一部ッ】篠沫　節子

by 上峠正和ッ　【日常の勇者ッ】

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節子は休みの日はいつも
最寄りの図書館に通っているッ
手当たり次第に読み漁っては
興味のある本をリクエストしたりと
もう既に常連さんであるッ
本人の話によれば
図書館特有の静まり返った空間に本の紙の匂い、
紙の手触り、そして本の世界に触れる瞬間が
人生において最高の楽しみだと語っていたッ
電子機器の発達により
本を手に取る機会が激減してしまった現代の社会を生きる僕に
その機会をくれたのは節子だったッ
そして今、節子と一緒に図書館に来たのであったッ
数年振りの図書館であるッ
残念ながら当時よりは
本の種類は少なくなっていて
老朽化も進んでしまっているが
節子にとっては大切な居場所だッ
とりあえず僕は自己啓発本を手に取ったッ
やはり電子書籍で読むよりも目が疲れにくい為
集中力がかなり持続していたッ
・・・んッ？
しおりが挟まっているッ
これは・・・節子のしおりだ・・・ッ
中に入り込んでいて気が付かなかったのだろうッ
その後、しおりは返してあげたが
その挟まっていたページの内容には
異性との付き合い方等が書かれていたッ
節子もそういうことが気になる時期なのだろうかッ？
それに、この本はまだ読んでいる最中だったのだろうかッ？
それなら申し訳ないことをしてしまったなッ
時間はあっという間に過ぎ去り2人で帰路に着いたッ
部屋で節子に「お疲れ様です」と声をかけてくれたッ
やはり、裸足の節子が一番の癒しであるッ