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2023-11-15 08:58:45 に投稿
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戸越南小学校 五つ子の末っ子ちゃん

by もっさうめし

※次:https://nijie.info/view.php?id=608065

彼女と知り合ったのは4カ月前。
開店から半年、経営に焦り出していたころだった。
メインの銀座商店街からは少し離れているため、家賃は安いが人通りは少ない。
そんな店の前でじっとケーキを眺めていた。
「いらっしゃいませ。」
暇なので表に出て声をかける。
「ごめんなさい。お客さんじゃないの。」
慌てて去ろうとする彼女。
「いいんですよ。よかったら試作品食べていきませんか。」
そう言ったときの彼女の顔が眼に焼き付いている。

彼女がケーキを食べている表情を見て、店のマスコットになってほしいとお願いした。
彼女の親御さんにも許可をもらい、チラシに彼女が食べているところを載せると、食べていけるほどには繁盛するようになった。
私は彼女に感謝すると同時に心惹かれていった。

「こだまちゃんのおかげだよ。かわいいこだまちゃんがおいしそうにたべてくれるから。」
彼女は普段は、おねえさんと比較されて引き立て役のスタンスらしく、褒められなれていないようだ。
顔を真っ赤にして照れている。
自分をほめてくれる人に心が傾いていくのは自然なことだった。

「なんで、ケーキさんになったの?」
「うーん、そうだねぇ、理想のおんなのこに出会うためかな。」
「???」
「『おんなのこは何でできてるの?お砂糖とスパイスといろんな素敵なものでできている』」
「???」
「っていう詩があるんだよ。で、ケーキ屋さんになれば女の子がわかると思ったんだよ。」
「それは作れたの?」
「ウチで作ってるものだと、プリンが一番近いかな。」
「あたしもあのプリン大好き。」
「ありがとう。でもね…もっと理想に近い子を見つけたんだよ。」
「ほんと?どんなケーキ?」
「ケーキじゃないんだ。」
「クッキー?シュークリーム?あたしもたべたいなぁ。」
「違うんだよ。理想のおんなのこを見つけたということだよ。」
「え?」
急に元気がなくなる彼女。急に涙ぐみはじめる。
「どうしたの。」
「ケーキ屋さんその人と結婚しちゃうんでしょ?」
急な話の飛び方。
「したいね。OKしてくれるなら。」
彼女は泣きだす寸前だ。
「こだまちゃん、OKしてくれますか?」
表情が固まる。
「あたし?あたし?あたし…あたし!?」
そして、真っ赤になる顔。
「あたし、あたし、あたし…」
「いいよ、すぐにこたえなくても。深呼吸して。」
深呼吸をして息をととのえる。
そのあと、足元に抱きつく。
「およめさんになる!いっしょにケーキ屋さんになる!」
「ありがとう。でもおよめさんになれるのはまだ先だし、ケーキ屋さんになるにはお勉強しないとね。」
「お勉強教えてくれる?」
「もちろん、」
そして、彼女のやわらかなほっぺにキスをした。

その後、二人だけの撮影会は行われ、ひみつを共有したのだった。
彼女を味わうのは、もう少し先になりそうだ。

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