才能を秘めたお嬢さん
by もっさうめし
吸血女帝となる3か月前。
彼女は焼き肉店でアルバイトをしていた。
時給はそこそこであるものの、まかないでいろいろな部位の端材がたべられるため、勤めているようなものだ。
彼女はホールではなく、キッチン担当。
なるべく大きな端材を作るべく肉を切っていた。
「団体様ご来店です!」
キッチンから見知った顔が見えた。
文化サークル合同コンパで知り合った写真サークルの男だ。
どうやら、今日はそのサークルの飲み会らしい。
できれば顔を合わせたくないのでキッチンにこもる。
乾杯の声が聞こえる。
大きな店ではない。客席の声は丸聞こえだ。
「では、今日は成果発表会を行います。タブレットまわすので各自得点をつけていってください。」
「1番、偵察6、撃墜4です。」
次々と男たちが『成果発表』を行っていく。
その内容はオブラートにくるんでいるものの、何人脱がせた、何人とヤったというものだった。
そして、成果というものは、タブレットで閲覧している写真であることは明白であった。
(じゃあ、あたしの写真も…。)
「では次の発表者お願いします。
「はい。おれっすね。8番っす。」
あの男だ。
「えー、偵察1あったんすけど。展示してないです。」
えーなんでだよ、という声が出る。
(あたしの写真出さなかったんだ。)
「デブでブスだったんで。」
(え?)
「合コンいったんでなんか成果出そうと思ったんですが、ブスしか食いついてこなくて。」
(え?)
「その中でもましなのをお持ち帰りして、ワンチャンあっかな?とおもって脱がせて撮ったんすけど…。」
(え?)
「勃ちませんでしたぁ。」
爆笑する客席。
なんだよ、『ふかし』かぁ、という声。
「そういわれるとおもったので、その女に自分でさせました。合唱部なんで声はヌけます。」
大音響で流される声。
「ああっああっううううっ、んんんん、ううううううっ、くうっ、はぁあああ!」
貸し切りとはいえ、さすがに店長が行く。
その子その後どうしたの?、と外野。
「ブスでデブはやっぱむりだわ、ごめんっていってそれっきりです。」
再び起こる爆笑。
彼女は誰にも知られず深く傷ついていた。
そして同時に貶められ、辱められることで自分が濡れるという事に気づくのだった。
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