誘い攻めさとり様
by ウラ方漫研ナイト倶楽部
じろじろと、相手の価値を品定めするような下品さを隠そうともしない視線。
見つめる主は昏いアメジストの二つの輝き。加えて宙に浮かぶ第三の瞳。
古明地さとりの趣味、ハンティング。
地上に外出する折には常にこうしてきょろきょろと「獲物」を求め、断りもなく相手の心を覗き込む。
それが休日であっても、探偵としての活動内であっても。
お盛んな御令嬢にとってはあらゆるTPOは官能を高めるためのフレーバーに過ぎない。
選ぶ相手も同様だ。えり好みなど、機会損失も甚だしい。
ぎっとりと脂を滲ませる中年男性。女も知らぬおぼこい少年。無垢なるノンケ少女たち。
さとりはその日の気分に応じてワンナイトラブのパートナーを選出する。
色狂いの目には、人間の里はバイキングかビッフェの如き催しに写っていた。
読心能力ゆえに誘惑が失敗したことはただの一度も無かった。
断れない相手を、飢えたる獣を見定めるのに瞬き一つの手間も掛からないのだ。
やはり心を読む能力は素晴らしい。
「…ねぇ、あなた。そこのあなた」
どうやら次のターゲットを定めたらしい。
「生意気なデカ乳妖怪に女の分際を分からせたいと思ったこと、ありますよね?」
春画を眺めて時間を過ごす人物に近付き遠慮なく声掛けする。
「それ、私相手でよければ、やってもらえないかしら❤」
欲望を見透かし、心を捉える。ほしいままに精神を絡め取り、思い出を呑み込んでいく。
それこそが、覚り妖怪の捕食プロセスなのだ。
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