ピンクスライムに油断したシウリルちゃん

by ほししも

　一般的にスライムと呼ばれる魔素生物は非常に脆弱な身体を持つため、搦め手と表現して差し支えない多種多様な手段で環境に適応している。その点はETD(エロトラップダンジョン)内部に生息するピンクスライムも同様だが、脆弱であるが故にやはり探索者には脅威となりにくい一般スライムと異なり、ピンクスライムには最大限の警戒を払わなければならない。
　その最大の理由は、ピンクスライムは「害意を持たない」ことだ。
　ダンジョン探索の際の定石の一つに「探知魔法」が存在する。偏に探知魔法と言ってもその原理は様々だが、向けられた害意を検知するタイプの探知魔法は最もポピュラーな一つだ。一般スライムに対しても害意探知はよく用いられ、探索者の捕食を試みる彼らは大抵はこれによって対処される。
　しかし以前も述べたように、ETDは探索者の物理的な捕食を目的とはしておらず、それは内部に住まうピンクスライムも例外ではない。探索者を性的に搾り取り、あまつさえ共存関係に持ち込もうという狙いは、害意探知をすり抜けるのだ。
　ピンクスライムは獲物の探知範囲に堂々と転がり込む。害意を持たず、見るからに非力なフォルムは探索者の反応を遅らせる。桃色の粘液をまとい対象にぴょんと取り付けば、もう戦いは決したも同然だ。肌に染み込み媚毒として作用する粘液は性感を加速度的に高め、対処する間もなく獲物を無力化する。変幻自在のフォルムは獲物の四肢を這いずり固定し、執拗な触手責めで瞬く間に快楽の虜とする。
　──結局、搦め手特化に進化し続けるこのETDで慢心していい相手などいないし、定石も存在しないということだ。ましてや事前情報も集めずに偶然侵入したりした暁には、この少女のようにピンクスライムの餌食となるだけだろう。
　幸い、この個体は大人になりかけの少女の美乳にお熱のようだ。これが秘所を好む個体に取り付かれた探索者だったら悲惨なものだ。それと比べれば乳房が責められるくらいどうということはない。確かに媚毒と触手愛撫で犯された乳房では今後下着の着脱や振動ひとつにも苦労するし、母乳体質にされれば定期的に張るおっぱいを搾るハメになるが。それでもまだマシな方なのだ。