【被害者5】ザョコワ【転生オークの暴虐日記】
by オークポーク
「あそこまで性格の悪い女はいない。まるで雪原の小さな女王だ」
ザョコワのことを知る者は口々にそう言う。
ザョコワはロウッド村の村長の孫娘で非常に甘やかされて育った。故に子供のころから傍若無人にふるまっており、気に入らない者がいれば男女も年齢も関係なく口汚く罵り、時には蹴り飛ばすこともあった。だが誰も文句を言わないし、骨が折れてもやり返そうとはしなかった。村長はロウッドでは絶対的な権力を有していたので、仮に逆らえばすぐさま追放されてしまうからだ。
成長しても悪辣さは落ち着くことはなく、いつしか皮肉を込めて雪原の女王とまで言われるようになり、村長の孫という地位があるにも関わらず男は誰も寄り付かなかった。故に行き遅れてしまい常に苛ついていて村民に対する蛮行はさらに酷くなる一方だった。
ある日とうとうザョコワは人殺しに手を染めた。彼女はひそかに想いを寄せていた男が別の女と結婚して子供をもうけた事に腹を立て、その女を人気のない場所におびき出し、腹を棒で何度も殴って親子共々殺害した。そして死体を村長お抱えの女魔術師に燃やさせて証拠を隠滅した。愛する身重の妻がいなくなったことで絶望した男を見て悦に浸っていたザョコワだったが、このまま自分は女としての幸せを得ることができないまま生きていくしかないのかと、不安に押しつぶされる毎日を送っていた。
おすすめのDL同人作品
同人作品PR