【被害者3】アナベル・ド・センエー【転生オークの暴虐日記】
by オークポーク
意外かもしれないが貴族全員に青い血が流れているわけではない。アナベル・ド・センエーはその典型だ。
アナベルは元々針子として町の仕立て屋で働いていた。そこそこ程度の腕前であったが彼女のところには客が殺到していた。理由は実に単純で客は彼女との一夜を目的として注文をしていたからだ。アナベルの武器はその恵まれた肉体であり、市井の生まれであった彼女は町長夫人として貴族にまで上り詰めた。
夫であるダビデルはオークよりも豚らしいと言われるほどで、アナベルは彼に一切愛情はなかったが、その代わりに町を守る騎士団の団長マシューと愛を交わしていた。マシューは騎乗戦において右に出る者はおらず、特に毎年行われるジョストの大会ではいつも優勝していた。アナベルはマシューに自身の肌着を与え、夫が不在の日の夜にはいつも体を重ねていた。
二人の子宝にも恵まれたアナベルは最高の人生を手に入れたと満足していた。だがある日、オークの軍団が町に接近しているとの報が入った。討伐のために送り込んだ先発隊はことごとく撃破され、とうとう町の近くにまでやってきた。
アナベルは前線に出るマシューの身を案じ、夫との物と秘密裏に変えた左手薬指のリングに祈りをささげるしかできなかった。
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