科学探偵団 くいしんぼう担当のおんなのこ その7
by もっさうめし
「聞いて秋子ちゃん。」
抱きしめたまま話す。
「秋子ちゃんがあきらめてくれるように…、いやぼくがあきらめるために。形ある思い出を消そうとした。」
ぼくは続ける。
「秋子ちゃんを傷つけることなく、君の前から消えるためにそれがいちばんだと思った。」
「…」
「でもそのこと自体が君にとっては、僕の裏切りだったんだね。」
「おじちゃん…。」
「その結果、君の心も体も傷つけることになってしまった。」
「…」
「だから、今日のことはぼくが責任をとる。ゆるしてくれる?」
「ゆるさないわ。」
恐ろしい返事。背筋が凍る。
彼女はにらみながら続けた。
「まだ、さっきの返事きいてないもの。」
ああ、思い出した。この表情は彼女がメガネをかける前の…。
:
開店初日に泣かせてしまってからも、彼女は来店してくれた。
ただ、怒った顔でメニューを見て、いつも私の顔をにらんで注文するのだった。
「秋子ちゃん、まだ怒ってるの?」
彼女ははっとして、恥ずかしそうにこう言った。
「ううん、怒ってないの。ちゃんと見ようとすると、怒ったようになっちゃうの。」
:
なにかをちゃんと見ようとするときの顔。
そのころからぼくの顔をちゃんと見ようとしていたんだ。
いままで気が付かないなんて…。
「君が心変わりして嫌いと言っても、大好きだ。」
その答えを聞いて彼女はぼくの頬にキスをしてくれた。
ただ、問題は終わっていない。
彼女の体の傷を見なければ。
彼女に楽な姿勢で足を開いてもらう。
太ももに付いた血を、下からアルコールをつけた脱脂綿でぬぐっていく。
鼠径部まで傷はない。
彼女のスリットの上を慎重にぬぐう。
傷は見つからない。
やはり、内側からか…。
「ごめん。恥ずかしいだろうけど、大事なところをできる限り拡げてみせてほしい。」
彼女は顔を真っ赤にしながら一生懸命に拡げていく。
ピンク色の粘膜の下方にハート形に開いた膣口が見えた。
傷は…ない。
酷いポーズだが、写真を撮る。
「ありがとう。もういいよ。」
ここまで傷はない。
おへその下についた血をぬぐう。
5㎝幅ほどの切り傷。
ワンピースを調べるとガラス片が刺さっていた。
これも写真を撮る。
…脱力。
彼女の純潔は無事だった…。
後はどうやって納得してもらうかだ。
ガラス片が残っていないことを確認して、絆創膏を張る。
彼女が僕に関わるたびに、彼女の体にも、心にも傷が増えていってしまう。
メガネがないのでよく見えないなら…。
ビデオカメラとテレビモニターを持ってきてセットする。
「ごめん。もう一度大事なところをできる限り拡げてみせてほしい。」
何をされるのか分かっていないようだが、素直に従ってくれた。。
テレビモニターに彼女の顔が映る。
「ちゃんと見える?」
「うん。」
カメラを動かして、下腹部を映し出す。
自分の大事なところをアップで見せつけられて、首筋まで赤い。
「わかる?今見えてるのが、秋子ちゃんの下の入り口。」
「やだぁ。なんで、こんなの撮るの?あたしのここヘンなの?」
「ぜんぜん。きれいな色だし、ハート型してる。」
「エッチ。」
「さっき、僕はここをさわらなかったの覚えてるよね。今からここをを綿棒でぬぐうよ。見てて。」
「あっ!やっ!」
ちっちゃなハートのまわりをやさしくなでる。
そして、綿棒を目の前に出す。
「どう?血はついてる?」
彼女も意味が分かったようだ。
「よかったぁ…。」
そしてまた、泣き出した。
これで、一つ問題は解決した…のではない。
ふりだしにもどっただけだ。
だが、今ならまだ人の道に戻れるはずだ。
とりあえずガウンを着せる。
「お風呂に入ってさっぱりしておいでよ。ぼくは洗濯しておくから。」
風呂場のまえまで連れて行く。洗濯機は風呂場の前だ。
ほかにガラスが刺さっていないかを確認して、洗濯をはじめる。
彼女はまだ、風呂場に入っていない。
「寒いからちゃんと温まるんだよ。」
声をかけて立ち去ろうとすると、突然駆け寄って背中に抱きついてきた。
「一人にしないで!あたし怖い。」
どうやら、もう引き返せないところまで来てしまっていたたようだ。
「…わかったよ。…いっしょに…入ろう。」
悪魔の高笑いが聞こえた。
-つづく-
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