科学探偵団 くいしんぼう担当のおんなのこ
by もっさうめし
※リマスターしました。
※次;https://nijie.info/view.php?id=527010
「おじちゃん!」
いつもの元気な声。
「いらっしゃい、今日は何にする?」
「ごめん、今日はアルバイトさせて。」
「ああ、そう。じゃあ、なかで待ってて。あ、ちょっと。はい、まかない。」
「ありがとう、じゃあ待ってるね。」
私の店の一番最初のお客さん。もう、5年もの付き合いだ。
:
「はい、いらっしゃい、ボク。何にしますか。」
サービスのチラシをもって入ってきた小さなお客さんに声をかけた。
左右を見回し、自分に声が掛けられたのだとわかると、べそをかきだした。
「どうしたの、ボク?」
泣き出してしまう。
「あきこ、おんなのこだもん、かわいいおんなのこだもん。」
「あ。」
:
当初は、高級志向のハンバーガーの店だった。
小さな土地がとんでもない値段で売れて、道楽で始めた店。
その経営方針転換にも、彼女が関わっている。
:
最近、彼女が食べに来ない…。
店の前を掃除していると、たまたま通りかかった。
「こんにちは、最近こないね、どうした?」
「…あのね。」
父親はしょっちゅう職を変える人らしく、経済状態が厳しいらしい。
「おじちゃんのハンバーガーはおいしいけど…。」
私は自分が金持ちになって浮かれてたことに気が付いた。
「よし、おじちゃん、あきこちゃんが毎日たべられるような値段で、今のよりおいしいハンバーガー作るよ!」
「ほんと!」
「だから、これから完成するまで試食のお手伝いにきてね。」
「やったぁ!」
:
ここから、店の代名詞となる「ビックリバーガー」が生まれた。
私の店は順調。町の成功者になっていた。
しかし、彼女は苦難が続く。父親が入院したのだ。
:
「おじちゃん、働かせて。」
「小学3年生は雇えないよ…。」
「…。」
「おじちゃん、写真が趣味なんだ、モデルやってくれるなら、いくらか出すけど。」
「やる!」
「いくらほしいの?」
「時給5000円?」
「ははは、そりゃヌードモデルの値段だね。裸になる?」
冗談のつもりだった。
「…なる。」
私の中の悪魔の舌なめずりが聞こえた。
:
父親はほどなく退院した。私の口利きでCATVの職も紹介した。
だが彼女との秘密のアルバイトの関係は続いている。
私の理性を削りながら。
-つづく-
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