幼なじみの花瓶
登り階段が続いておりますが、御足は大丈夫でしょうか。
ひとまず次で終わりますが…失礼、こちらへ。近づけば汚れます。
スケジュールではすでにここの清掃は終わっているはずでしたが、手違いがあったようです。
失礼致しました。
彼女はカエデという清掃担当のものです。主に調度品、特に観葉植物や花瓶などの手入れを担当しております。
となりにあるのは花瓶です。先月からそういうことになりました。
花瓶とメイドに間柄という言葉を使うのは些か不適切かもしれませんが、彼女らは幼なじみという奴です。
二人は同じ孤児院で育ち、同じ学校に通い、同じ会社を務めたのちに同じ館にやってきました。
気心の知れた仲だったようです。下手な姉妹よりも互いを気遣っていたように思えます。
今そこにある花瓶が備品をいくつも割り、自らでその補填を行った後もカエデは花瓶を粗雑に扱ったことはありません。さも美談のようですね。
…関係のある話かはわかりかねますが、花瓶が備品を割り始めたのはちょうどカエデが今の役職についたころだったと思います。
カエデは花瓶を丁寧に扱います。それはもう偏執的に。止めなければ今日のようにいくらでも手入れを続けます。
花瓶の下にある備品はカエデがいうには「お手入れの道具」だそうです。あの子が勝手に用意しました。
…ご当主が知らぬ話ではない以上、余人には口をはさむ余地はありません。
愛情か友情か、昏い感情によるものかはわかりかねますが、たとえ長年の付き合いでも心のうちなどわからないものかもしれません。
カエデ、いい加減に切り上げなさい。貴女は何時間同じ花瓶を磨くつもりですか。
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CG集【王国貴族の館~ラバーメイド完全拘束調教】より
DLsite:https://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ380336.html
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