タイムトラベラー博士のやんちゃな孫娘　

by もっさうめし

前回の作戦失敗後、私は考えを改めた。
博士自身を狙うよりも、
効果的な関係者経由で、
協力を求めればよいのではないか、と。

私は監視対象を決め、機会をうかがった。

冒険と称して、数日間森の中をさまよっていたところを保護。

疲れ切ったところにやさしく声をかけ、アジトに連れこむ。
例の薬の効果で、彼女にとっては今の私は見知らぬ若者だ。

「大変だったね、冷たいものでも飲んでおちついて。」
これには、利尿剤と例の薬が入っている。
「ありがとう。」
「ああ、服も泥だらけ。洗濯しようか。おうちの人が来るまで、お風呂に入ってゆっくりして。」
「うん。」

風呂場、脱衣所には隠しカメラ配備ずみ。
「お風呂場にはいったら、ピックアップするから。これに入れて。」
脱衣カゴを渡すと返事を待たずにすぐに退出。

彼女は脱衣所のトイレが使えないことを確認すると、
急いで服を脱ぎ、風呂場に移動した。

私もカゴの回収のため、音を立てながら脱衣所に移動する。

けなげにも股間に手を当て周りに飛び散らないようにしているところがいじらしい。
シャワーの流れに紛れさせることを期待して、水栓をひねる。
湯は出ない。
私がロックしているからだ。

「おにいさん。シャワー出ないの。」
震える声で呼び込まれる。

もう限界は近いだろう。

私が水栓を調べ始めて、２分後。
「ああっ。」
羞恥と絶望と諦観とが入り混じったか細い声とともに
疲労を表す濃い色の液体が指の隙間から流れ出す。

「我慢してたんだね。ゴメンね。」
「よごしちゃってごめんなさい。」
眼に涙をうかべながら、謝る少女。
「大丈夫だよ、手をどけてしちゃおう。」

彼女の手を軽く横にずらすと、
緊張が解けたのか、勢いよく水流がほとばしる。
心なしか安堵の表情に見える。

最後の短いしぶきがおさまったあと、
私はもう一度謝った。
「まだ小さいのにひとりでお風呂に入れさせてゴメンね。いっしょに入ろうか。」

彼女は小さくうなずいた。

～つづく？～


※1シーン追加しました。