行方不明の少女
by みけがわたぬき
「娘はまだ生きているはずだ」
飲んだくれの父親が捜索隊に突っかかっていた。
娘を売った金で酒を飲むようなロクデナシがいる家だ。
見つかったところで、娘が帰りたがるとは思えない。
そういえば。
娘が行方不明になった迷宮には「夢見の檻」というモンスターが生息しているらしい。
聞くところによれば、捕らえた獲物の脳を改造して苗床にするのだそうだ。
一度捕まれば二度と出られない……と聞けば恐ろしい化け物だが、鈍間で積極的な攻撃もしてこないので、女子供でさえ、抵抗する意思があれば実際に被害にあうことは少ない。
それに、あの迷宮は大都市と繋がっている。
きっと少女は新天地を目指して、迷宮に入ったのだろう。
逆上した飲んだくれが捜索隊に襲い掛かった。
が、あえなく返り討ちにされると、酒瓶を片手に路地へと姿を消した。
私も迷宮に行こう。少女と同じ、新天地を目指そう。
奴隷制の残る大都市でなら、今度こそ正式に少女を所有できるかもしれない。
期待に胸をふくらませ、私は酒場を後にした。
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