イカちゃんの正体は?
by 曇りメガネ
『インクマウスの暗闇』
このインクマウスの町に住むようになり、俺の生活は随分と変わった…。
異動でここの町に住むことが決まった当時は、随分と落ち込んだものだ。
インクマウスの住民は大きな瞳で、目の周りが異様に黒く、ヌメヌメと湿った触手のような髪で、とても普通の人間とは思えない恐ろしい姿をしていると噂されていたからだ。
しかし、実際この町に来てみると俺の印象は違った。
なんと愛らしい姿をした住民だろうと…。
周囲の反対を押し切り、俺は住民の1人の“イカちゃん”と結婚した。
その後息子も生まれ、仕事も私生活も順風満帆であった…。
最近身体が重い気がする。
大きな暗闇から何かがこちらを覗いており、そこから逃げようと“もがく”夢ばかり見るからだろうか。
「お前、最近ずっと疲れた顔をしているぞ。少しやつれ気味だし…なにか心配事でもあるのか?」
上司が重い表情で俺を見た。
「いえ、特に…」
「そうか、でも最近あまり休暇を取ってないだろ」
「いつも定時で帰らせてもらえてますから」
「それでもな、たまにはちょっと早く帰ったらどうだ。奥さん喜ぶぞ」
上司が軽く微笑んだ。
「そんなもんですかね…」
「そんなもんだ。まだ結婚して1年くらいだし、子どももまだ小さいだろ?今日はもう俺に任せてお前は帰れ」
結局半ば強引に早退することとなった。
上司の言葉に少し引っかかるところがあったが、気にすれば余計に身体が怠く感じたので何も考えないようにして帰路に就いた。
(ここからイラスト)
家に着くと妻のイカちゃんが息子をあやしながら晩御飯の準備をしていた。
息子は随分大きくなったがまだまだ甘えん坊で、妻からずっと離れようとしない…。
結婚して1年くらい…子ども… 考えないようにしていた上司の言葉が頭を過った。
「おかえりなさい、あなた。今日は早いのね」
妻はうれしそうな笑顔で俺を見る。
いつもと変わらない可愛い笑顔だが、目が合うと頭がクラクラしてきた。
「うぅぅ…!」
視界がだんたんと酷く鮮明になり、息子が醜いオッサンへと変わった。
「そのオッサンは…誰だ…!?」
「…何を言ってるの?この子はあなたと私の可愛い息子でしょ」
妻の言葉を聞いて、体が大きく震えだした。
「あなた、大丈夫!?」
心配して近寄ってきた嫁が俺の顔を覗き込む。
「ち、違う!オッサンだ!…分かったぞ、俺たちはこのオッサンに催眠を掛けられているんだ!」
「…大丈夫よ」
イカちゃんが俺をじっと見つめる、引き込まれそうなほど大きな瞳で。
ああ…、思い出した。この暗闇だ…。
「私の瞳を見て。だんだん落ち着いてくるわ…」
俺は幸せだ。
妻と息子との生活が、永遠に続いて欲しいと願うほどに。
(設定)
深きものども(Deep Ones)であるイカちゃんが、効率的に人間との交配を行うため男に暗示をかけている。
オッサンは本当に男とイカちゃんの息子である(深きものどもと人間との交配種のためか、成長が早い)
という設定の同人誌(R-18)を誰か書いてくださいお願いします何でもしますから
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