うんちおもらし
by はーちゅ02
『本日午後より全校集会が行われます。生徒は整列して速やかに体育館へ集合してください。繰り返します――』
放送が終わり、予鈴のチャイムが鳴った。
体育館に移動するためにみんな整列を開始している。
(どうしよう……)
彼女は焦っていた。
給食を食べた後、友達と話すのに夢中になってトイレに行く時間がなかったのである。
今から急いでもトイレに行っていたのでは集会に間に合わない。
小の方ならまだいいが、残念ながら、この便意は明らかに大の方だった。
(私がいないことに気が付かない―― ってことは、ない……か)
どう考えてもバレるし、クラスの女子たちに知られたらいじめのネタにされる。
いじめまでいかなかったとしても、うんちをするために集会に出なかったと思われたらかっこ悪すぎる。
(我慢するしかない……まだ大丈夫)
今すぐにでも出したい欲求を感じていないこともなかったが、まだ全然平気だと自分に言い聞かせる。
額からは変な汗が流れてきていたが、覚悟を決めて廊下に整列した。
集会が始まって二十分が経過していた。
静寂に包まれた体育館にはマイクで拡大された校長の声だけが響いている。
どうやら下校途中の生徒の誰かが近所の家に悪戯をしたとか何とかで、学校に苦情がきているらしい。
しかし彼女は今それどころではなかった。
(もう限界――っ)
内股になった足は小刻みに震え、額だけでなく太ももにも汗が流れてきた。
その感触がお漏らしをしたかのように感じられて、余計に意識が持っていかれる。
(か、考えないようにしないと……!校長の話はもう少しで終わる、もう終わるから、そしたらトイレ行けるから!)
集会が始まってから三十分。
どうやら校長の話は一段落したようだ。
(よし、どうにか耐えた――!)
安堵のため息を吐いた彼女だったが、それはすぐに絶望へと変わった。
『それでは次に教頭からのお話があります』
頭が真っ白になるのを感じた。
限界を通り越していた。
少し前までなら、馬鹿にされるのを諦めてトイレに行かせてもらうこともできたかもしれない。
だがもうその選択肢もなくなってしまった。
肛門に熱い何かが頭を出してきた。
(あ、ああ……っ!)
むりゅむりゅむりゅっ
パンツが膨らんでいくのがわかる。
同時に、隠しようがない便臭が立ち込める。
(漏れちゃった……)
しかし量は少しだけで、どうにか押し留めた。
臭いは誤魔化せないが、まだばれる程ではない。
便を少し外に出したせいか心なしかおなかも楽になったし、トイレまで歩いていくことは不可能ではなさそうだ。
恥を忍んで手を上げるなら、今しかない。
そう思った時、生徒たちがざわつき始めた。
「……なあ、なんか臭くね?」
「だな、誰か屁こいたんじゃないか」
男子たちがひそひそと笑う。
「いやこれ、屁っていうかウンコだろ。おまえ漏らした?」
「俺じゃねーし」
そこへ教頭の怒声が響く。
『私語をするなぁぁぁぁぁっ!!おまえたちは校長の話を聞いてなかったのか!?気がたるんでる自覚はないのかっ!?』
無駄に熱のこもった大声。
そして、その教頭の大声に驚いた彼女は思わず肛門に入れていた力を緩めてしまった。
「あっ」
声を出してしまう。
解放感が一気に押し寄せる。
パンツのおしりの部分がどんどん膨らみ、熱く湿っていく。
(だ、だめ、これ以上は――)
そう思うが止まるはずもなく。
ぼとっ
ボトボトボト……
パンツから溢れたうんちが体育館の床に落ちた。
「ひゃっ!?」
後ろにいた女子が悲鳴を上げる。
教頭の怒鳴り声もむなしく、今度こそざわつきはピークに達した。
「うわー」
「おいあれ見ろよ」
「ウソでしょ、あの子うんち漏らしてる」
「やだー最低」
様々な感想を口にしながら、周囲にいた生徒が彼女から距離を取った。
我慢していた大量の大便が無慈悲にこぼれ落ちていく。
彼女は手で顔を覆い隠し、ただ震えるしかなかった。
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