キャルちゃんがこっそり想い余らせて…
by 募霧咲夜
「ごめん!コロ助、明日1日アイツ貸して!」
「キャルさま。主さまは私の所有物ではございません。主さまに異存なければ、問題ないと思いますよ」
この子はいつもこの調子だ。私から見れば、好意があるのは丸見えなのに。
確かに、アイツはこの子の所有物ではないかもしれない。でも確かに、あんたにはその資格があるのに。
だから一々訊かれるんだと、いい加減に気付くべきだと思う。それともこれが従者の余裕とかいうやつ?
「ふむ。主さまは明日から数日は何も予定はないそうでございます」
「あー良かった!あたしの仕事を手伝いなさい、報酬は山分けにしてあげるからさぁ」
困ってて僕に出来ることなら何だって協力する、と微笑みながらアイツが答えた。ずるい。
あたしが請けた依頼で、手が足りずに困っていたのは事実だ。こいつの強化の力があれば、特に苦戦もせず終わるだろうけど。
「ふむ。主さまでなくともペコリーヌさまに頼めば、すぐに終わってしまいそうですが…」
「あ、あいつはダメ!すぐにあたしに抱きつくし!戦力としては頼りになるんだけど…。そう考えたらどうしてもこいつが必要なのよ!お願い~!」
確かにペコリーヌに頼む手もあった。でもあたしにとってはこいつがいることが何よりも大事なのだ。それに……。
(ペコリーヌのやつに比べたら。あたしに魅力なんてないし……。)
「大丈夫でございますよ、キャルさま。主さま、ご同行してくださるそうです。あぁ、お優しい。素晴らしいです、主さま♪」
アイツがちょっとカッコいいこととか、見せ場を作るとすぐこれだ。でも、あたしはこの日常が嫌いじゃない。そして、アイツのことは憎からず……いや、うん。カッコいい時も頼れる時もあると思ってる。
「ありがと!ふふん、明日また迎えに来るからね!待ってなさいよ、コキ使ってやるんだからね!」
あたしは目に見えてご機嫌になっていたと思う。その日はいつものメンバーと食卓を囲み、そして別れた。
―――時は飛んで翌日の夜。
コイツと一緒にサクサクと依頼を片付けていると思ったら、追加でお願いされてしまったことが結構な重労働。予定通りではなかったがこれ幸いと、夜になってしまった。
追加でお願いされた仕事分の報酬はだいぶふんだくってやった。こういうのはキッチリしとくべきだし。
「……とはいえ、はぁ……」
なんでコイツは寝てるのか。確かに宿に二人で泊まるくらいの余裕はあった。万が一というか、この為に用意していたというか。それだけの準備をしていたあたしがみっともなく思えてしまう。
少なくとも、あの二人に先駆けて(いるとあたしは思っている)気持ちを伝える機は失った。しかし、コイツはコイツで頑張りすぎだと思う。結局あたしの分の仕事を半分近くを持って行った。
……コイツは正直戦力とは言い難い。そのせいか、人一倍頑張ろうとして弱いくせにあたしたちの前に出ることもあってたまに迷惑だ。いや、気持ちはわかる。わかるが……。
「アンタは、あたし達の切り札だってなんでわからないのよ」
寝ているコイツのおでこを撫でる。あ、意外といい髪の手触り。…じゃなくて。
「でもね、あたし、そんなアンタのこと……」
寝ていて聞こえていないと思う。かなり疲れていたらしく凄い速さで寝てしまったから、この言葉はおそらく通じていない。通じていないんだから、これは意味のない行動。
「……好き、なのよ」
止まらない。涙が。止まらない。言葉が、想いが。
あたしはコイツへの言葉なんてすぐに言い終えて、気持ちだけは伝えて……それで終わるはずだったのに。アンタがそんなに無防備に。アンタがあたしを信用して。
「―――寝ちゃったのは失敗、よ」
初めて見た男の人のもの。触ったのも初めて。寝ていても反応はするんだ。
自分でも何してるかよくわからない。でも少なくとも、あたしにとってはこれは今凄く大事なこと。
馬鹿なんじゃないの、あたし。いや馬鹿だ、あたし。
―――いや、いやいや。あたしは悪くない。こんなことまでさせて、誰にも知られずに一線を超えさせてしまうほどに油断したコイツが悪い。そう、これは―――。
「これはアンタが悪いのよ…」
そそり立った彼のモノを、期待したのか興奮でそうなってしまったのかわからないけど、濡れたあたしのあそこに導く。きっちり掴んで、徐々に体重を掛けていく。
「んぅ……くぅっ……。思った以上におっきぃ……!」
結構キツキツだった。さらに、途中で痛みと共に、突っかかりを覚える。これが処女の証ってやつだ。
でも。痛くても。そんなことは知ったことじゃなかった。コイツと一つになりたい。今あたしが考えていることは全部それだった。
「んくっ……!こ、こういうのは思いきりよね……!」
そうだ。ペコリーヌみたいに。何も考えなしに。いや、考えないといけないんだけど。ていうかアレはアレで意外と色々考えてるわよね、うん。ってそうじゃなくて!
すやすやと寝息を立てるアイツの顔を見る。かわいい。コイツの全部、奪ってしまいたくなる。
(不純な動機だけど、暗い感情だけど)
コイツとの幸せな思い出を、コイツに助けられたりした出来事を全部飲み込んで。
(あたしは、これでいい。幸せにされるんじゃなくて、幸せになる―――!)
思いきって。一気に自分を彼のもので貫く。鋭い痛みも一瞬。残る痛みは、ジンジンするくらいだった。なんだ、意外と大したことない。
「んぐぅ……っ!くっ、挿入ったぁ…!」
挿入ったと思ったら、途端に罪悪感が湧く。寝込みを襲っているこの現状もそうだけど、あたしは決定的なことをしでかしたのだ。
「……でも。アンタが悪い。あたしに優しくして、アンタの事しかここんとこずっと考えてなかった」
そう思ったら、痛む膣内なんてあまり気にならない。抽送を思わず開始していた。
「でもあたしは素直になれない。だからこんなカタチでっ…」
ずるいことをしてる。でもそれはもっと段階を経て、行うべきことで。
「ヒミツでっ……ごめん……!ごめんっ……!」
本当にごめん。でもあたしは、後悔しない。この結果に。だから。
「必ずアンタをものにしてやる……!」
◆妄想暴走★5化記念キャルちゃん(通常)編。私の中で思い描いてるキャルちゃんって結構ヤバイ……?
あくまでもこれはうちのキャルちゃんのキャラ付けということでどうか許してください(土下座)。
◆なんか愛が重い文章になってしまったけど、キャルちゃんの暗い感情とかもっと見てみたかったんです。いつか水着キャルちゃんがこちらに来て、★5化した時はきっと幸せなカップルになってると思います。たまにえげつない文章になってしまって申し訳ない。
■2枚目は文字なし
3枚目、4枚目は1、2枚目の陰毛無し差分
5枚目、6枚目は文字なし差分で暗所っぽくない差分
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