とある教団の一室にて
by 克曇満
「その部屋」がまともな場所でないことは、あなたがそこに踏み込んだ瞬間に理解した。
臭い。強い汗の匂い、性臭。
そして、呻き声や喘ぎ声が折り重なって響き渡っている。
部屋の奥に目をやると、そこにはあなたの理解を超えた何かがあった。
まず思いついた形容は、「肉の塊」。
全裸の男たちが、数十人折り重なって蠢いている。
男たちは一様に性行為を思わせるように腰を振り、中心にあるであろう「何か」に向かって自らの陰部を押し付けているようだ。お互いの肌が触れ合うことに対しても、何の気を払う様子もない。
あれは、なんと言ったか。
そう。確か、「分封蜂球」。
女王蜂を守るため、働き蜂の群れが周りを囲む、あの行動。
あなたは中心にあるであろう「何か」を見るため、神経を「球」に集中する。
男たちの「球」の中から、たまに漏れ出る桃色の髪。そして、小さな四肢と甲高い喘ぎ声。
少女がいる。
信じがたい。数十人の男たちが、中心の少女を犯している様だ。
道徳心か、冒険心か、好奇心か。
いずれの心に動かされたかは定かではないが、あなたは「球」に向かって歩を進める。
一歩、一歩と歩を進めるたびに、匂いも音も強くなる。
気がつくと、あなたの陰茎は固く反り返っていた。
気が狂うような官能の霧を振り払い、「球」の近くまで到達する。
そして、男たちの隙間から覗く、少女の瞳と目が合った。
瞬間、あなたの視界は桃色に染まる。
そして、少女は一言、あなたに向かって呟いた。
「おいで」
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