ガレージの中から声がして
by ウオーズ
いつかはもう覚えてはいないが、川でたまたま河童と出会った。
最初は酷く怯えられてしまったが、
お互い機械いじりが趣味だということがわかると意気投合をし、
今では彼女の工房に行き、作業を手伝うような関係になっていた。
人間は盟友だ、という河童の彼女の言葉に嘘はなさそうであったし、
何より彼女の作る機械ひとつひとつに興味があった。
ある日のこと、彼女に任せられていた作業が早々に終わり、
手持ち無沙汰になった自分は、次に何をやればいいかを聞きに、
シャッター倉庫で作業をする彼女のところへ向かった。
すると、閉まったシャッター倉庫の中から苦しそうな声で、
「盟友、盟友」と呼ぶ声がした。
何かあったのか、積んである荷物が倒れてしまったのだろうか、
不安に駆られ慌てて「大丈夫か!」と言いながらノックをせずにシャッターを上げた。
それがよくなかった。
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