岩淵アユの夏休み日記
by けんぶ
私が暮らしてるのは山間の小さな古い城下町だ。城下町といっても石垣と空堀だけで城郭は無く、桜見物くらいしか観光資源のない寂れた田舎町だ。私の家は、町の北の外れにある大きな岩を利用して作られた石垣の上に建つ一軒の古民家だ。この大岩に山から流れてきた川が当たって曲がり、そこにちょっとした淵が出来ている。文字通り我が岩淵家の氏神様というわけである。淵の周りは森と崖に囲まれて、ボートでも使わない限り、我が家の人間以外誰も淵に近づく事は出来ない。そんなわけで、子供の頃から釣りをしたり泳いだり慣れ親しんできた私にとって、この淵は云わば聖地だ。殺人的暑さの続く今年の夏は特に淵の有り難味を感じる。我が家にはエアコンなどという洒落た物は存在しない。勉強や用事はまだ涼しい午前中の内に済ませて、気温が上昇する午後は淵に浸かって暑さをやり過ごす。淵に入る時、いつの頃からか私は何も身に着けなくなった。裸で泳ぐのは気持ち良かったし、安っぽい言い方だけど自然と一体になれるような気がしたからだ。決してヌーディストなどではない。しかし一番の理由は、泳いだ後の〆のオナ〇ーをするのに都合がよかったからだったりする。大切な場所を汚すという禁忌を犯す背徳感からなのか、ここでのオ〇ニーは異常に昂奮する。聞こえてくるのは川のせせらぎとセミや鳥の声、私の息遣い、心臓の音…指に自然と力がこもる。イッた瞬間、私の心も体も一瞬で川に溶け落ちて消え去り、そのまま遠く海まで流れていってしまう…そんな錯覚を覚えた。心地よい疲労感と絶頂の余韻に浸りながら、母に夕飯に呼ばれるまでの気だるい夏休みの午後は、たぶん私の人生でもう二度とない至福の時間なんだろうと思う。
『暑中お見舞い申し上げます。せめてイラストくらいは涼しげなものをと思い描きました。皆さんの心に涼風は吹きましたか?それとも股間が熱くなりましたか?』
「あなたの一言で心が寒くなりましたよ。」
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