【掌のバレエ萌え小説】わたしと彼のBallet'x(バレエックス)3
by 碓井央
男女の肉体の関係とはつきつめれば快の感覚の共有ということだと思っています
もちろん実際には感覚の共有などできはしないのですが──相手と同時に快を感じていると思える経験というほどの意味です
自分独りで快を感じるときとの違いは不自由であること──自分の思った通りには必ずしもならないという点です
ただ──相手の快を自分の快として取り込める機会があるという点が一種の長所ということになるのでしょう
彼は──男子は女子よりもその長所を活用しているのかもしれないと言います
すくなくとも彼自身はわたしの反応を自分の「成果」として快楽の一部にしているといいます
もちろんその反応を勝手に解釈しているだけだけれどね──と付け加えていましたが
いっぽうわたしは彼自身の快の感覚をとりこめているとは言えないかもしれません
なぜなら男子の感覚というものはクライマックス付近で爆発的に上昇して急激に終わるものらしいので
そのあたりではわたしは自分の中に溢れかえる感覚に支配されてしまっている状態だからです
ただ──わたしは彼の情動ををいろいろな形で感じていて──それを自分の快の感覚に融かしこんでいるかもしれません
表情はもちろん──呼吸の変化や躰の触れ合い──部位への刺戟のしかた
それらひとつひとつに彼の羞恥心の震えや葛藤の軋みが感じられるのです
そうしたものが渾然一体となってわたしの躰の中に沁み入ってくる気がします
相手の快を取り込んでいるというよりも苦悩を取り込んで味わっているという点では
わたしはかなりサディスティックな性質をもつ人間なのかもしれません
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