【掌のバレエ萌え小説】わたしと彼のBallet'x(バレエックス)2
by 碓井央
クラシックダンスは躰の各部に負担がかかることで──本来慎重に取り扱わなければなりませんが
基礎的な鍛錬をきちんと積めばある程度は自分の躰の「もともとの動き」として制御できるようになります
言い換えるならば自分の躰のつくりそのものを踊りのために改造してしまうわけです
ただし──踊りに沿った動きをしている間はその改造された躰そのものを強く意識している状態になっています
もうひとりの別の自分が重なり──憑依している状態といってもいいかもしれません
わたしにとってそれは「自分が確かにここに在る」という実感が与えられる瞬間です
そうした状態で躰の芯からの快の感覚の交わりを知りたい──という強い欲求がわたしの中に生まれてしまったのです
実際パ・ド・ドゥにおいて男子が女子を支えるホールドという動作は容易にお互いの抱擁へと変形でき
抱擁は接触そして相互の刺戟の反復へと繋ぐことが可能になります
それが第三者の視点から観て芸術的とは言い難い──もっと言えば生理的な拒否感をもたらす猥褻なものだったとしても
本人にとって深い達成感と充足をもたらすものである以上は価値のある行為だと思っています
とりあえず現状でわたしができる「いいわけ」はそんなところです
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