24時間戦えますか
by sakifox
怪しげな地下格闘興行に放り込まれ、「10人抜き出来たら高額の賞金とともに解放する」
という条件で、賭け試合をやらされることになった巴子。
女がルール無しで試合ができる、という場所を探す以上、
こういった下品な団体に当たってしまうことはままある。
巴子はしぶしぶ条件を受けた。
といっても実際には、怪力自慢の男相手に、10人抜きを達成したものは今までおらず、
何人目で負けるかを客が賭ける、というのがここの趣旨らしい。
だが、大半はタダの腕力自慢、しかも女が相手と侮っているような輩だ。
持ち前の技量で、ものともせず巴子は手際よく10人抜きを達成した。してしまった。
運営としては、地下興行の存在を知られている以上、もとより還すつもりはなかった。
予想を裏切られた運営は試合を止めることなく、11人目、12人目と続々と投入していく。
巴子としては、素直に返してくれるわけはない、と、ある程度予想の範囲内ではあった。
ただし、人数を除いて。
試合に臨む選手は、普通、コンディション作りや予定、契約等、そうポンポン急に用意できるものではない。
だが、この団体の規模は予想を遥かに超えていた。20人を超えてもなお、続々と相手が現れる。
しかも、もはや「試合」という体裁すらあやふやになってきている。
負けたはずの相手が、休憩して、再びリングに上ってきさえしているのだ。
ただ勝つだけならまだしも、戦闘を続行できないダメージを与えておかなければ、無限に試合が続いてしまう。
さすがの巴子としても、そんな無茶苦茶なと思うが、息付く暇はない。
既に10勝が確定し賭けが成立しなくなっている以上、試合の形式が崩れていることに文句を付ける客は居ない。
元々こんなところに来るような客だ、今やこの強すぎる巫女が屈服するところを一目みたいと会場は大盛り上がりだ。
40人を超えたあたりから、もはや客も運営もなりふり構わない。
1:1の形式すら取り払われ、複数の相手がリングに上がるようになった。
巴子は別にタイマン専門ではない。複数人相手も得意としている。
そんな状態でも、人数を伸ばしていく。しかし、元々短期決戦スタイルである。
数十人を相手にし続けていれば、流石に精彩を欠いてくる。
そして59人目、そのときはやってくる。別に派手なKOがあったわけでもない。
もはや疲労困憊の巴子は、ただなんでもなく掴みかかられ、取り押さえられてしまった。
そんな状態でさえ、ここまでほとんど致命的なダメージを受けていないのは驚愕に値するが、今やもう戦う力は残っていない。
もっと巴子が戦える状態であれば、そのまま暴力ショーが始まっていたかもしれない。
だが、無抵抗の相手への暴行は、ここの客は普段から見飽きているのだ。
今その場の空気が選んだのは、この強すぎる格闘巫女を、全観客の前で辱め尽くすというものだった。
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