橙ちゃんが大人の遊びを覚えたので大人になりました
by おれんじまんぼう
橙がその生物を見つけたのは一体いつだっただろうか。
ナメクジとも蛙の卵とも見える半透明の生物は正直なところあまり気味のよくない見てくれをしていたが、他の野生生物と違い、橙によく懐いた。
私が冬眠して、藍が働きまわっていた間だろうから、そう長くはないだろう。
最初は恐る恐る部屋につれていき、ペットとして扱った。得体の知れない生物を家に上がらせるのはどうかと思ったが、それは藍が教育してやればよかった。
問題は、それでとどまらなかった。
ある晩、橙が寝ている間にそいつは布団に潜り込み、次の晩、橙の体を這いずり回り、そしてとうとう発情した橙と『交尾』した。
・・・猫又と、無脊椎の生き物がそんなことに至る経緯は理解したくもないが、普通だったら気づけたはずだった。
しかし、保護者の不在を縫って起きた、事故だった。
橙は道の交尾に没頭し、その生き物もいくらでも付き合った。
毎晩毎晩、いや、藍が居ない時間ならいつでもまぐわい、一週間ほど藍が家を開けると、その音で我に帰った橙が自分の異変に気づき、今の橙がそこに居て、私は叩き起こされた、というわけだ。
「藍さまぁ、私どうなっちゃうんですかあ」
私より二回り、長身の藍より更に大きくなった橙は、呆然と自分の体を見下ろしていた。
垂れた、胸、たるんだ腹、使い込まれた女陰。
たった数日前まで、彼女が小柄で活発な橙だったと判断できるのは、その体型に不釣合いな顔だけで、それ以外の要素は全て崩壊していた。
正気に戻った意識とは対照的に、体は未だ発情をやめず、酸っぱい臭いの汗が蒸発して湯気を立て、ぼたぼたと足元に愛液を垂らし、ときに噴き出す。
尻がひくついているのが、弛んだ尻肉と一緒に前からもわかった。
こんなに酷い状態は見たことがない。
橙は式や妖怪として成長するための要素を、全て子供を産むための素体になるためにつぎ込んだ、というわけだ。
隣で藍が泣いている。自分がついていてやれば、これからどうすればいいのか。色々考えて、パンクしているのだろう。
式として役に立たなくなった彼女は、私の責任でもある。
どうしてこうなったのか。どうすればいいのか。
式に丸投げして眠っていた私にもツケが回ったらしい。
私の腹にも違和感があり、敷布はぐっしょりと濡れている。
藍は動転して気づかなかったし、この状況で説明する気にもならなかった。
私も、橙と同じ状態になる。
橙の腹の中と、寝ている間に入りこんだらしい、私の腹の中で渦を巻くように動く『胎児』の影を呆然と見ながら、三人で立ち尽くすしか無かった。
***
ネタが思いついて去年描いたもの。
カラーにしてcg集にするには少々短いかなと思い、モノクロのまま出してみました。
変貌した腹の中を虫が這い回る表現をやりたかった。
R-18Gタグがつくことになったが後悔はしていない。反省していたらそもそも描かない。
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