テイクアウト
by 紗野誠隆
私は何故このような形で拘束されているのか。おぼろげな記憶を辿っていく。
昨日は白露型全員でのクリスマスパーティだった筈だ。
楽しく騒いで飲んで、充実した時間を過ごしていたのは覚えている。
だが、その後は――。
「……っ」
思い出そうとし、不意の頭痛に苛まれて私は思わず眉間にしわを寄せた。
パーティの終盤の記憶はすっぽりと抜け落ちているが、今の頭痛の感覚には覚えがある。
二日酔いだ。
私は特別アルコールに強いという訳では無い。だが、自分のペースはしっかり把握しているつもりだし、実際泥酔したり二日酔いになる事は滅多になかった。そんな私が二日酔いに苛まれるほど、昨晩はペース配分と自分の限界を無視した乱暴な飲み方をしていたのだろうか。
あるいは。
(誰かに無理矢理飲まされた……?)
その時。かちゃりという音と共にドアノブが回る。
不意の音に一瞬身体がびくりと震えた。開いた扉の隙間から入り込む光が部屋を僅かに照らし、すぐに暗闇へと戻る。ぱたんと扉が閉まり、施錠する音が響いた。
そこに立っていたのは――
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