ゆかりさんが触手風船になるだけ
by おれんじまんぼう
水風船のようなものが天井からぶら下がっていた。
極限まで広げられた腹腔は不思議なことに薄く中身が透けていたが、巨大に膨らんだ腹の中に収まっているべき裂けた筋繊維や出血する毛細血管はそこにはない。
中には紫色の何かが入っている。
絶えず蠢いて、その度に彼女の口から愉快な音が漏れる。
呼吸すらろくに出来ないのだろう。
腹の中の生き物の動きに従って、空気を取り込み、排出する。
その顔はまだ原型をとどめていた。
まだ人相を判別できるだけの知能が残ったものが幻想郷に居るなら、それが昔、八雲紫と呼ばれていた大妖怪だったことがわかるだろう。
もはや彼女自身にも分かっているか、いや、ここにまだ彼女の意識が、更に言うなら知能が、脳細胞と神経すらも残っているか怪しかったが。
***
ゆかりさんでバイオベースというリクエストがあったので。
描いてるうちにちょっと楽しくなってカラー枚数当社比増量なのは秘密。
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