油断大敵
by 橘 妃京
あれは2年前、私が6年生の夏休みの時のことでした。
その日の夜はどういうわけかのどが渇き、私は何度も起きては、
台所にお水を飲みに行きました。
何度目かの時、お母さんに「そんなに飲んで大丈夫? ちゃんと
おトイレに行かなきゃダメよ」と言われたのですが、
私はもう6年生なのですから『おしっこがしたくなったら、
ちゃんと起きれるもん』と思い、「へいき、へいき」
と意に介さず、そのまま眠りにつきました。
その後、おしっこで目が覚めてトイレに行くと、誰かが先にトイレに入っていました。
コンコンとノックすると、お母さんの声がしました。
そうこうしているうちにどんどん尿意は高まり、
おしっこを我慢しながらトイレのドア越しに、
「お母さん、早く出て。もっちゃうよぉ」と必死に声を出しました。
ようやく水の流れる音が聞こえ、お母さんが出てきて、『やっとおしっこができる!』との思いでトイレに飛び込み、
便器をまたいでおもいっきりおしっこを出しました。
『はぁ、間に合ったぁ~…』
私はその気持ちよさにうっとりしていましたが、次第に下半身に違和感を覚えてきました。
ちゃんとパンツを下ろしておしっこをしているはずなのに、なぜか濡れた感覚があるのです。
『…あれ?』
目が覚めると、そこはトイレではなく寝床の中でした。
そうです。トイレに起きておしっこをしたのは、
夢の中でのことだったのです。布団をめくると、
シーツには大きなおねしょの地図が描かれていました。
お母さんは、「まぁ! 6年生にもなって! だから昨日ちゃんとトイレに行きなさいと言ったでしょ!」と言って怒り、
言うことを聞かなかった罰に、干されたパジャマのズボンと
パンツ、それに失敗のあとがくっきり残ったおねしょ布団の
横に立たされてしまい、私は恥ずかしくってたまりませんでした。
これが、私が一番最後にしたおねしょのときのお話です。
- 大石恵理(東京都新川区神原中 二年)
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過去絵のお蔵出しです。
某ものがたり風味テキストとともに。
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