あたしの知らない近代化改修
by ヒラル@ラチマニア
忘れる筈も無い。それは息苦しくなる程に暑い、真夏の夜の事だった。
夜中に目を覚ましたあたしは、カラカラに乾いた喉を潤そうと食堂へと向かっていた。
夢か現かも疎らな瞼を擦るあたしの耳に――――
「…………島風?」
綿布を濡らした様なくぐもった声が、友人である島風の部屋から聞こえてきた。
それは、どこか悩ましげなもので、聞きようによっては苦悶の色さえ感じられて。
気付けばあたしの足は、消灯時間を過ぎている彼女の部屋へと向かっていた。
――ソ
―――ぷい
―――――ソイヤ
―――――――きゅっぷい
「ソイヤ」
筋骨隆々の鉄鋼魔人が力強く声を上げていた。
「きゅっぷい」
彫像の如き筋肉鉄人が可愛らしく鳴いていた。
「ソイヤ」
「ソイヤ」
「きゅっぷい」
「きゅっぷい」
何が起きているのかまるで理解が出来なかった。
中央に居るのは紛れも無く友人であり艦娘である島風であった。
脳髄まで酷く蕩けたかの如き嬌声を溢し、腰をヘコヘコと動かす様は、まるで娼婦の様に淫猥で。
「ソイヤ」
「きゅっぷい」
「ソイヤ」
「きゅっぷい」
その左右から、まるで機織の様にリズム良く島風の下着を引っ張りあげる門番の姿に、あたしは完全に言葉を失っていた。
あれは、なんだ。
あれは、いったいなんなのだ。
あれは、いったいなにをしているというのだ。
鈍色の肌をした巨人は、あたしに見向きもせずに島風の股座を擦り続けた。
「……あぁ……天津風ぇ」
ぞわりと背中に、こわいもの、が走った。
無論、角度からして彼女があたしを捉えている訳が無かった。
「もっとしてぇ……天津風ので、島風を気持ち良くしてぇ」
なのに、彼女は再びあたしの名前を呼んだ。
普段の活発な彼女からは考えられない程に淫猥な声で。
あたし、の名前を呼びながら、ガクガクと腰を痙攣させた。
「……」
つまり、これは、あぁ、あぁ、彼女は、そう言う思いを抱いている、と――――
「ソイヤ」
「きゅっぷい」
「ソイヤ」
「きゅっぷい」
「ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ」
「きゅっぷいきゅっぷいきゅっぷいきゅっぷい」
ボルテージが、リズムが、熱が上がっていく。
地獄絵図と言っても差し支えない狂宴は、彼女の興奮に比例する様にして激しくなっていく。
「ぉ……ォゥっ…………」
弱々しげに鳴く彼女の声は、されど堪らなく嬉しそうな色を含んでおり。
あたしは、そんな劣情に侵され満たされ発情した親友の姿を見て。
――――じゅん、と熱く股座を濡らしてしまっていた。
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