最後のABC(依頼品)

by 雲母夕ソに乗りたい

ある日の夕方、あたるの携帯電話にサクラから電話がかかった。彼は、いつものようにサクラとのデートに
胸を躍らせつつ彼女が神主として勤めている神社に急いだ。
神社に着くとサクラは、
「話を聞いて欲しいのじゃ」
と、あたるに言った。
サクラの横には幽霊の望が立っていた。
サクラはこう続けた。
「諸星に未練があるそうじゃ」　
あたるは、サクラに言われるまま一緒にいたラムと一緒にサクラの車に乗った。

しばらくして一行は海の見える丘にある芝生の広がる公園墓地に着いた。日中に来ていたら眺望がいいだろうなあ、とここに初めて来たあたるとラムは思った。一行は車を降りて望の墓の前まで歩いた。
そのとき、望はこう切り出した。
「あたしのお墓を掘ってくれませんか?」
事前に話を聞いていたサクラはあたるにショベルを差し出した。すぐに戻せるように上の芝生を丁寧にはがし掘ること数十分、埋まっていたFRP製の棺桶カバーが見えてきた。3人は完全に土を取り除いた後そのカバーを外して棺桶を開け望の体のみを取り出し、空になった棺桶を綺麗に埋め戻し芝生を敷き直した。

あたるとラムは望の体を横付けしていたラムの宇宙船にそっと運び込み、その一室に用意されたシーツ敷きマットレスの上に降ろした。サクラはそのまま車で帰宅した。
実は、直前まで事情を知らなかったのはあたるだけでサクラとラムは事前に話を済ませていて準備万端だったのです。

望は、先に宇宙船の中に入ってその作業を見守っていた。幸いにも望の身体は丁寧なエンバーミングのおかげで、生前のかわいらしさをそのまま十分に残していた。 まるで、この日を待っていたかのような保存状態だった。
そこで、望は突然こんな事を言い出した。
「あたるさんの子供を産んでいいですか？」
と。あたるはびっくり仰天して凍り付いた。しかしラムは
「幽霊の思いを壊しちゃ、かわいそうだっちゃ」
と言い残し、仕方なさそうな表情を見せた。
一通りの作業が終わった後、ラムはサクラの神社に向かうため操舵室へ行って部屋には望とあたるのみが残された。

据え膳食わぬは男の恥とはよく言われますが、すぐそばにラムがいるので手荒なことなどは絶対にできない。
あたるは、シーツの上に横たわる望の冷たくも愛しいほほに紳士的にそっと口づけをした。
そしてワイシャツのボタン、ブラのフロントホックを両手でていねいに外し、そして足をゆっくり広げパンツを脱がした。
そのときには、あたるの股間はすでにかちかちに固まって前に突き出していた。

あたるは棒にたっぷりローションを塗ってから、望のデリケートなところを優しく開き、詰められていた綿を取り除いた後棒の先端をそこに置いて少しずつ中に入れていった。
最初はきつかったあそこもだんだんとなじんできて外気と変わらない体温とほのかに感じるホルマリンの香りに違和感を感じつつも次第に気持ちよくなっていった。あたるは望の大きく堅い胸をそっともみながら奥まで達し快感の絶頂に達した。
望はついにあこがれの人、あたると奇跡的に一つになった。
その間、あたるは何度も望を抱き続けていた。
そして望の中に大量の白く粘った液体を注ぎ込んだ。あたるが棒を抜いた後、繋がっていたところからそれが漏れ出していた。

あたるには目の前の動くはずのない望の顔が一瞬、うれしそうに見えた。女にしてもらえたからでしょうか。
「あたるさん、気持ちよかった?」
後ろに立っていた望の霊は言った。
「望ちゃん、もちろん」
あたるは返した。そして望は
「ありがとう」
と、言い残して消えた。
あたるは望の股間から外に漏れ出た自分の液体を綺麗に拭き取って彼女に新しい服を着せた。行きたいと思っていたけどついに行くことができなかったあの学校の制服だった。望も動かない自分のためにあこがれの人にあこがれの制服を着せてもらってきっとうれしく思っているでしょう。


その後望の体はサクラの神社に運ばれ、体内にサクラの勤める学校の理科室から調達したホルマリンやサリチル酸などから作られた防腐液を補充して注ぎ込んだ後ガラスケースに入れられて新たなご神体、「眠れる美少女」として地下室に安置された。
建前としてはこの奇跡のような出来事を記念するためにということだが、実はサクラは望自身や彼女の母親との間で今回の件を手弁当でやる代わりに拝観料を取って見せることを同意していたのだった。もちろんあたるとラムだけはフリーパスである。

後日、それを聞いたあたるは神社に行き、ケースの中で彼が着せた服を身につけて心地よく眠っているかのような望の顔を見ながらケースの上にそっと花束を置いた。
「ダーリンってやさしいっちゃねえ」
後ろから見ていたラムが言った。
「幽霊の夢を壊しちゃかわいそうだからな」
あたるはこう返した。