オトシモノ

by 影乃蒼空

彼女は読書が好きだった。
だから、帰り道で偶然拾った、ちょっと不気味な本を
興味本位で開くのは必然であった
そしてそれが、彼女が、『彼女』であった最後の瞬間だった・・・

どんどんと、本の中へと沈んでいく自分の身体
ぐいぐいと、本の中へと引っ張り、押さえてくる黒い手のようなもの
彼女は叫ぶ、助けを求めて大声で
・・・しかしその叫びはどこにも届かない
喉から発せられるその声は、口から発せられると全く音として聞こえていないから
どんどんと、身体は沈む・・・止まることなく、ずぶずぶと・・・
彼女は叫ぶ、必死に叫ぶ。しかしその声は聞こえない届かない
そして、彼女は、本の中へと、沈む・・・


[淫堕の魔本]
危険レベル：AAA

開いた者を本の中へと引きずり込み、淫魔へと調教変化させる魔本
一度本を開いてしまったら最後、本から無数の黒い手が身体を拘束し本の中へと引きずり込んでいく。この行為を防ぐことはできない。
引きずり込まれた者が次に外へ出られるのは、淫魔として完全に生まれ変わった後である
開いた者の身体のサイズによって本の大きさを変えるためどれだけ大きくても問題なく引きずり込むことが可能。引きずり込み行為が発動している際、その者の出す音はすべて遮断される結界がはられる為どれだけ声を出しても誰にも届かない。また途中で誰かがその場に来たとしても、やはり結界で姿・気配を消されているためやはり助けられる可能性はない
例え年齢が低くても、例え性経験がなくても、その本の中の調教は、確実にその者を淫魔へと変化させてしまう
本を開いてしまったら、引きずり込まれることを防ぐことも、脱出する方法も、ない