苗床
by エマネマン
気持ち程度の背景説明 ~ 放棄された地下の実験用生物標本室を調査指示された新人研究員
鼻をつくすえた臭いの地下道の奥の奥、心もとない懐中電灯が照らす錆びた鉄扉に手をかける。ゆっくりと、赤黒く沈み淀んだ空間へ研究員を招き入れた。か細い灯りが部屋の奥へ届くかという矢先、びゅうっ、と空気を割く音が聞こえた。と同時に、さっきまで背にしていた扉が、差し込む光が自分から離れていくような感覚を味わった。地の底に落ちていくような感覚は、自分の体を引き寄せた何かによってであった。したたか背中を打ち、息ができず喘ぐ。気づけば身じろぎもできず、体に巻きつくなにかによって強固に固定されていた。転がった懐中電灯の先がこちらを向いたとき、研究員は初めて自分の状況を理解した・・・(以下略
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