おかしらは亡国の姫君
by くろーく
ファリスがこの取引に応じたのはレナのためでもありタイクーン家のためでもあった。
タイクーンを滅ぼしファリスとレナを捕らえたメリュジーヌは、レナの身の安全との引き換えにファリスに惨い行為を強いた。
ファリスがタイクーンの貧民窟で浮浪者たちの性奴隷として暮らすのなら、レナの身の安全及び其の貞操を保障するというのだ…。王国は滅んだとはいえ、正統な王女レナさえいればタイクーン家の再興は可能だ。父亡き今自分がタイクーン家の家長なのだ…自分にはレナを守る責務がある…思いつめたファリスはメリュジーヌの用意した下劣な踊り子の衣装を身にまとい、貧民窟へと消えていった。
数年後、路地裏で牛のように胸が大きく髪の長い女浮浪者を、浮浪者たちが表通りを歩く者たちに見せ付けるかのように輪姦しているという話がメリュジーヌの耳に入った。早速部下に命じて其の女浮浪者をメリュジーヌ城――かつてのタイクーン城――へ連れて越させた。「とっくに死んでると思ったのに意外だわ」
下半身を丸出しにした醜い浮浪者に連行されてきたのは果たしてファリスだった。何年も風呂に入っていないファリスは不潔そのものだった。浮浪者に輪姦されて出来た父親のわからない醜い子供達を連れており、おまけに彼らの弟だか妹だかを腹に宿していた。貧民窟に放り込む際「おみやげ」として生やした男性器は高々と勃起し、性奴隷としての勤めがいつでも果たす用意が出来ていることを示していた。
ファリスは完全に狂ってはいなかったが、精神に異常はきたしていた。
「あなたの名前は?」
「オレはサリサ・シュヴィール・タイクーン。タイクーン王家の第一王女で、父さんがいない今オレがタイクーン家の家長だ。オレには家長としてタイクーン家の世継ぎを産んで育てる義務があるんだ…」
うつろな目でよだれを垂らしながらブツブツと独り言をつぶやいていた。
浮浪者たちはファリスのことを「ブタ」と呼び、ファリスは浮浪者たちのことを「ご主人様」と呼んでいた。辛過ぎる現実から逃避するためだろうか、ファリスは浮浪者たちに肉体的にも精神的にも過剰に依存し、命令されれば糞も喜んで食った。
「良いオモチャが手になったわね」メリュジーヌはほくそ笑んだ。誰が知るだろうか、ファリスが貧民窟に入ったその日にレナがゴブリンの巣に投げ込まれたとは…。メリュジーヌは舌なめずりしながら、その事実を告げてファリスの精神を完全に崩壊させるのはもっと先にすると決めた。
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